健康で生きる力をつける講座
2020年2月8日

京都アニメ放火事件についての対策

八尾市消防本部 予防課長

山口 康英 先生

【石垣ROB医療研究所 理事長 石垣 邦彦 先生】

自分の命は自分で守るということは、ごく当然のことですが、今の日本人は誰かが守ってくれるのではないかという安易な考え方になっているケースが非常に多いです。これはものの見方・考え方を根本的に変えないと日本が沈没します。そういう意味合いでも、自分の命は自分で守るという意識を持っていただくためにも、この講座を開催しております。

去年、京都アニメ放火事件ということでマスコミに騒がれましたけれども、3階建てで、あの放火事件で36名が亡くなったということです。あの火災で、なぜ36名が亡くなったのでしょうか。その解決策はどうなのでしょうか、ということの疑問がありまして、去年のうちに消防署にお電話をさせてもらいまして、今日は予防課の山口康英先生にお越しいただきました。

【八尾市消防本部 予防課長 山口 康英 先生】

今日は、京都アニメ放火事件のことを含めまして、火災予防と、火災が発生した際の対処で、どうやって自分の命を守るのか、少しでも皆さんにお役に立てるような話ができればと考えております。

今日の講演の内容は、まず火災概況です。全国や八尾市はどういう状態になっているのかということを説明させていただきます。それから京都アニメーションの放火火災のことについてお話をさせていただき、それから火災から身を守るためにということと、そして火災を防ぐためにということで、この流れで話をさせていただきたいと思います。

それではまず火災概況ですけれども、昨年の八尾市の火災件数は48件です。大体7.6日に1件ということで、一昨年に比べますと8件増えております。

この48件というのは多いか少ないか。どう思われますか?多いですかね。私が消防に入った昭和60年当時は、八尾市内の火災は120〜130件あったんです。多い時ですと、150件近くありました。今と形態が違いますよね。風呂も今は給湯で行けますよね。私が消防に入職したときは釜で炊いていましたので、空焚きとかいうのも多かったので、そこから火災になっていました。コンロとかも安全装置が付いていなかったので、今は消火してくれますけれども、消火せずに台所から燃え広がって火災になるというのもありました。

 

ただ、2、3年ほど前までは30件ぐらいまで減っていたのですが、一昨年が40件になりまして、昨年が48件ということで、これはちょっといかんぞというような今状態になっていますので、そこはまた予防広報の担当の課としては、また皆さんに注意喚起をしていかなあかんなという状況になっています。

 

火災種別ですけども、建物火災37件、車両火災5件、林野火災1件、その他火災5件です。
その他火災というのは、建物でも何でもない、例えば屋外の物件が燃えているとかそういうことで、上の三つに入らないのがその他火災になっています。建物火災37件のうちで住宅火災が22件です。工場とかそういったものもありますけれども、住宅火災が22件もあるということで、かなり割合が高くなっております。

次に、火災による死者です。死者は、4名の方がお亡くなりになられています。この中で、2名の方は、65歳以上のいわゆる高齢者と一般的に言われている方です。これはいずれも住宅火災でお亡くなりになられています。火災による負傷者も17名ということで、これは昨年に比べて1人減っておりますけれども、これも住宅火災で負傷されている方がほとんどになります。

 

損害額については、昨年は4540万8000円です。これはちょっとした一戸建て1軒は燃えてしまっているということですね。損害額というのは土地の値段は入りませんので、建物と収容物、それを算定して出している額ですので、これが多いか少ないかと言いましたら、決して少ないことはないと思います。本当にいろんな思い出の品物も含めて全て灰になってしまうというのは、非常にこの金額では表されないような損害が出るのではないかなというふうに思っております。
 

原因ですけれども、昨年は電気機器が8件でした。2位がコンロ、たき火です。23年間に亘って、放火・放火疑いによる火災がずっと1位を占めていましたが、この2年は電気機器が1位になっています。

 

放火が減ったというのは、非常に我々としてもいいことかなと思っているんですけれども、逆に電気機器がまた2年連続でトップになったということは、これはまた新たな対策をとっていかないといけないなと思っています。

 

放火についてはいろいろと各地域で防犯カメラをつけたりとかしています。消防でも市内に750カ所あまり、放火防止カメラというのを設置させていただきました。そういったことも含めて、市民の皆さんが放火されない環境づくりというのをしてきていただいているおかげで減ってきているのかなというふうに思います。

 

電気機器でよくあるのが、扇風機なんかでもなかなかつぶれませんから、毎年しまって出して、今年も使えると思っていますが、ただやっぱり中のモーターとかが劣化してきます。そうなってくると、モーターが焼け付いたり、配線がショートしてしまったりとかいうことで、使えているのにそういうふうな機器の劣化によって発火をするということもあります。

 

またいわゆるたこ足配線も原因になります。テーブルタップ付けて、差し込んだらいくらでも入りますよね。そのテーブルタップをテーブルタップに挿したら、さらに挿せますよね。そうしてしまうと過電流になってしまって、熱を持ってしまって、出火に至るということがありますので、その辺は皆さん、十分注意していただきたいと思います。

続いて、全国の方を見ていただきたいと思います。全国の方が、平成30年度となっておりますのは、昨年の統計がまだ出ていないからですが、あまり大きく変わってはいないと思います。

 

件数は3万7981件です。全国でこれだけの火災が発生しています。1日に104件、日本全国どこかで火事が起きているみたいな形になっていますね。火災種別で見ていただきますと、やはり同じように、建物火災、車両火災、林野火災が多いです。

 

建物火災の中でも、住宅火災が1万1000件で、建物火災の53パーセントということで、やっぱり住宅火災というのが半数以上占めているような状況です。

それで、この火災による死者も1427名です。これは自損もあるんですけれども、そういった方を除いて、住宅火災の死者の数になりますと946人です。全国で1000人近い方が亡くなられています。負傷者も6114名ということです。これだけの方が火災でお亡くなりになられているということで、参考までに見ていただけたらと思います。

原因につきましては、1位はタバコです。2位がたき火、3位コンロです。この全国の統計は放火という項目と放火疑いという項目で分けていますので、下位になっていますけど、2つを合わせたら4761件なので、1位になってしまいます。タバコを抜いて、やっぱり放火は全国的にもやっぱり多いということになっています。本当に放火されない環境づくりというのが非常に大切だなというような数字になると思います。

今度は、京都アニメーションの放火火災のことについてです。これはまだ京都市のほうで調査中のこともありますので、我々も報道とかちょっと消防機関で仕入れた情報だけしかありませんが、その中で皆さんにお伝えさせていただこうかなと思っておりますので、よろしくお願いします。

まずこの火災概要なんですけれども、発生は昨年の7月18日木曜日の10時31分頃です。これは推定です。今現在、警察発表では推定になっていますけれども、10時31分、ご存じのように京都市伏見区で発生しました。消防法では、いろいろその建物の用途を判定しまして、あの建物の用途は事務所ということで判断されています。

 

地上3階建ての耐火造です。延べ面積が691平米ということで、3階建ての建物で言いましても一般的な大きさで、それほど大規模な建物でもありませんし、小さな規模でもありません。一般的な3階建ての建物となっております。

消防設備なんかはどうなっていたかというと、ここは消防法で言うと適正に設置されていました。

消火器も置かれていましたし、非常警報設備が設置されておりましたので、全く問題はありませんでした。また防火管理等の状況も、防火管理者を選任されてますし、消防計画、これは自分のところで事前に訓練をやったり、火災が起こったときはこういうふうな対応をしますとか、そういう計画を作ったりする義務があるんですけれども、それもしっかり作られて、届け出されていました。平成30年11月14日は消火通報避難、こういった訓練を皆さんでやられていました。

 

最新の立ち入り検査は平成30年10月17日に行かれましたが、消防法令上は全く不備がなかったので、この建物自体に何ら問題はなかったということになります。

今回のこの建物の出火原因というのは、報道でも言われてますように放火とされています。

決定的なことは、ガソリンが検出された20リットルの携行缶です。携行缶ってご存じですか。金属製のもので、よくホームセンターでも売っていると思います。その20リットルの携行缶が2缶あって、中にもガソリンが残っていました。前で火を付けたというような情報も得ているということで、こういうふうな形になっています。

 

被害状況ですけれども、人的被害が71名ということで、死者が36名で、負傷者が35名ということです。建物については全焼、あの耐火造が全焼というような形になっております。

 

この36名というのはどれぐらいの数字になるかと言いますと、ご存じの方は千日前の火災で118名亡くなっておられます。そこで消防法とかがいろいろ改正されました。歌舞伎町の火災、覚えておられますかね。あの雑居ビルが燃えたので、44名が亡くなっております。それに次いで36名の方が亡くなっておられるということで、非常に多くの方が一つの火災で亡くなられている形になっておりますね。

この火災で消防隊の活動状況なんですけれども、これは京都市消防局さんが出動されています。もちろん京都なんでね。最大55隊が出動して、活動を実施されていました。この状況で、5つの医療機関から11名の医師、看護師の方が現場に行かれていますし、収容先の医療機関は1つの病院じゃやっぱり収容できませんので、8つの医療機関にそれぞれ分散して搬送されたということになっております。

これが被災前の建物で、京都アニメーションの建物の状況です。普通にごく一般的な事務所と考えられる一般的な建物です。

これが被災後になりますと、こういう形になります。全ての開口部から煙と炎が出ていたんだなというような状況です。同じような形で写真が撮られていますけれども、本当にこの火災のすさまじさというんですか、そういったものを感じるような状況になっております。

これが大体、消防隊が到着したときの状況ですね。到着した時点でこういう状態です。2階も3階も煙がこれだけ上がっているというような状況です。

消防隊が活動されていますけれども、はしごが届いていますね。全て消防隊が侵入するために、はしごを掛けております。このはしごは三連はしごと言いまして、伸ばすと8.7メーターになりますので、3階に届くか届かないかというぐらいですね。

 

はしご車というのもありますが、ちょっとこれは詳しい状況を私も分からないんですけれども、はしご車は大きいので、はしご車が進入する道もなかなか厳しかったんじゃないかなと思います。

その次も同じように、まだ消防隊が進入しています。消防隊が行っていますけれども3階部分はまだ燃えています。だから3階の進入には完全に至っていないんじゃないかなというような状況ですね。

これがその京都のアニメーションの建物と、被災された方の状況です。

 

建物の1階部分から3階に向けてらせん階段が設けられていました。こういうらせん階段が設けてあったことが、この火災の拡大の要因になっているのではないかなというふうにも言われております。

 

当時34人が亡くなられており、まず1階で3人、2階で11人、3階で19人ということになっております。

 

建物の真ん中にらせん階段が通っていますよね。放火現場というのが、らせん階段の付近ですよね。これもかなり要因にはなったと思います。らせん階段の直近で火をつけられているので、ここから燃え広がると、煙突のように上に上がってしまいます。

 

本来でしたら1階が燃えて、そこからだんだん階段を伝ってとかいうことで、2階にだんだん行って、消火が遅れたら3階に上がっていきます。

 

ただ今回の場合は、総務省消防庁のほうでシミュレーションをやられたんですけれども、放火されて、建物全体に煙が充満したのが大体30秒です。30秒ぐらいで建物全体に煙が回ったんじゃないかと言われています。そして、2分で建物全体が炎に包まれたんじゃないかというようにシミュレーションされています。

 

今日は対策ということで、私も話をさせていただこうと思ったんですが、助かる対策というのがなかなか難しいです。ないとも言い切れませんが、その秒数からいくとかなり厳しい状態になります。

 

それはなぜかというと、やはり普通に紙に火をつけられたわけじゃないのです。ガソリンをぶちまけて、それに火をつけられているのです。ガソリンというのは、まいた瞬間から気化します。空気中に気化して、ガスのようになるんです。ですので、まいたところが燃えるのもありますけれども、空気中に回っている気化したガスが一気に燃え広がるのです。ですから、そんなに早い時間で建物全体がやられてしまったというような状況になったと考えられております。

 

本当に建物構造がこういう形であったというのが悪く、まかれた場所が悪く、悪いことがちょっと重なってしまったということです。

 

一番奥にトイレがありますよね。ここに逃げ込んだ方は助かっています。逃げようがなかったんですね。3名の方がトイレへ逃げて、近所の方が窓に付いている格子を外して、外から出してくださいました。ただこれも、こんな言い方したらあれですけど、運があったということですね。トイレに窓が付いてなかったら、駄目だったと思います。

 

本当に悲惨な状況であったと思います。消防隊もかなり衝撃的だったと思いますね。建物内部に進入して、これだけの方が倒れられて、それ以外にもけが人もおられましたので、そのけが人を救出しながら、こういった亡くなられている方がおられるのを見たときには、やっぱり消防隊員としても、消防職員も人間なので、やっぱりかなり衝撃はあったんだと思います。

 

3階にも屋上に逃げる扉があるんですが、この扉は鍵が掛かっていなかったみたいです。ただその寸前で4、5名の方が倒れていました。また後ほど説明させていただきますけれども、一酸化炭素を吸ったために、そこで、脱出直前で倒れられたんじゃないかなというように言われています。

一酸化炭素中毒について説明します。一酸化炭素は本当に血液のヘモグロビンと結びつきやすいです。少量であっても中毒を起こすから、一息吸ったら倒れてしまうのです。

 

よく湯沸かし器とかで、不完全燃焼で、一酸化炭素中毒で亡くなられることがあります。通常の火災とかですと、木造でしたら空気が入りますので、燃焼してガスは発生するのですが、どっちかと言うと二酸化炭素です。ただ耐火造になってくると、酸素の供給が減ってきますので、どうしても一酸化炭素が発生しやすいです。

 

空気の成分は酸素20.9パーセント、21パーセントぐらいです。一酸化炭素は0.1ppmです。ものすごく少ないです。

パーセントで言うたら、0.00001パーセントぐらいしか空気中にはないやつが、火災が発生するとこれぐらいの濃度になってきます。状況によったら、一息吸ったら意識なくなるというような状態になりますので、今回多くの方が、焼死もされていますが、一酸化炭素中毒で亡くなられた可能性が高いということになると思います。

再発防止対策ということで、これは防犯面というのがありますが、消防の面から言いますと、まずはどうやって元を絶っていったらいいのかということで、通知が出されました。

 

ガソリンを容器に詰め替えて販売するときには、本人確認と使用目的の聴取が義務化ということになりました。これまででしたら、ガソリンスタンドに携行缶を持って行って、簡単にガソリンを入れてもらっていました。これはどういう時に使われているかといったら、農機具とかレジャーのジェットスキーとかにガソリンを入れたい時です。それをガソリンスタンドに持っていくわけにいきませんので、そういう携行缶に入れて補給するというような形でやっておられます。2月1日からそういうふうになりました。

 

本人確認が可能な運転免許証とかを掲示して、本人確認をして、これを何に使いますかと確認します。ガソリンスタンドはガソリンスタンドで、ちゃんと誰に何リッターをどういう目的で売りましたよという記録を付けなさいというようなことが義務付けされています。

 

これで完全に元を絶てるかどうかは分かりません。犯罪される方がうそをつくかもしれません。しかし、ある程度こういうことをすることによって、ちょっと構えてしまいます。そうすることによって、ある程度は抑えることができるんじゃないかということで、今現在こういうふうな形で、消防として全国でまさに実施されています。

 

今後ああいう火災があったときにも、自動で消火できるような設備を付けなさいとか、そういったことになるかもしれません。ただ、例えばスプリンクラー設備を付けたとしても、スプリンクラーと言えば、燃えたところでスプリンクラーが弾けて水が出て、早めに消火するのが目的です。なので、一度にドンと燃えてしまうと、全部のスプリンクラーが弾けてしまって、水の容量が足りなくて、水が少ししか出なくなります。

 

そういった恐れもありますので、なかなか消防の設備を強化するということは難しいと思います。その設備を付けようと思いますと、何千万円とかかります。ですから、ハード面というのもありますが、われわれはソフト面で、今こういった制度で対策をとらせていただいているというのが現状です。今後またこれに関して、もっと消防として何か規制ができたりするかもしれませんが、そのときには、われわれもしっかりと市民の皆さんには発信をさせていただきます。

ここから火災から身を守るためにという話になります。

まず初期消火です。消火器は中に薬剤が入っていまして、圧が掛かっています。レバーを握ることによって薬剤が出ます。よくあるのが、火災現場に消火器がごろんごろんと放り込まれていることです。消火弾じゃないのでそういう使い方はできません。ホースも付いているので、ホースも出してください。

 

加圧式でボンベに穴を開けるやつはちょっと力がいるので、女性の方で握ってもなかなかボンベが開かないということがあります。そのときは下に置いてもらって結構です。下に置いてもらって、腕を伸ばして、体重をかけて、ポンって押さえて、すぐに持っていったら大丈夫です。

 

ノズルをその火元の炎じゃなくて、燃えているものに手前から掃くようにかけてください。消火器から薬剤が出る時間は、大体15秒から20秒ぐらいです。ですので、大きな火災ではちょっと無理です。ですから初期消火に使います。小さなうちにこれで消しましょうということで、今、消火器があります。大体のめどでいきますと、例えば天ぷら油から火が出て、それが天井に入ってしまっていたら、もう無理です。

天ぷら油なんて特に難しいです。消火器で消火と書いていますが、難しかったら大きめの鍋のふたをポンとかぶせてください。もちろんコンロも消してくださいね。水に濡らした大きめのシーツなりバスタオルなりで覆ってください。それもボトボトの水だったら駄目です。水が滴り落ちたらドンといきます。要は、水は水蒸気爆発みたいな形になってしまうのです。熱せられたら体積が1700倍にバンッと広がるわけです。なので、ある程度絞って掛けてください。もちろんコンロの火は消してください。

今度、通報ですけれども、『火事だ』と大きな声を出してください。『119番して』というのは誰かを指名してください。例えば、今ここで火事を確認して、『119番して』と言ったら、誰かがするだろうということになってしまいます。それは救急のときも一緒です。誰でもいいので、指さして、『あなた、119番して』と言って、誰かを指名しないとなかなかしてもらえません。

 

通報をしてもらったら、消防の方がちゃんと聞きます。『住所どこですか?お名前なんですか?住所が分からなかったら、何か大きな目標がありませんか?電信柱の記号なんて書いてます?』とか言って誘導していきます。そのとおりに答えていただいたら、消防も分かりますので、そのときはそういう形で対応していただきたいと思います。

次が避難ですね。先程も言いましたように、煙は30秒で充満します。横方向は1秒間に50センチから1メーターぐらいしか広がらないのです。しかし登っていくのは1秒間に3メーターも上がっていくんです。だから上に逃げると、人間は勝てないですね。3メーターから5メーターを1秒間に上がれる人がいたら、教えてもらいたいぐらいですね。

 

ですので、上に逃げるというのはなかなかちょっと厳しい。煙の中に避難するときは煙を吸い込まないように、姿勢を低くしてください。姿勢を低くしてもらうと、煙は上に上がりますから、ある程度空気がまだ確保されている状態になります。ですから姿勢を低くしてください。

 

それで、濡らしたタオル等と書いていますけれども、一酸化炭素中毒では無理です。ハンカチとかタオルをやっても吸ってしまいますので、これはあくまでも煙の微粒子ですね。すすとかそういったものを吸わないために、そういうものを口鼻に当てて、不安感をなくして、姿勢を低くして、まだ視界がある中逃げてくださいっていうことになりますので、ここのところは間違わないようにしていただきたいと思います。

 

透明なビニール袋があれば、それを膨らまして、そのままかぶりますと、一酸化炭素も吸わずに避難ができます。今はホテルとかにも、透明なビニール袋を設置しているところがあるみたいです。全てじゃないですけどね。これを使って避難してもらえば、視界も確保できますし、空気も確保できます。ただ、そこで姿勢を高くしてしまうと、上に熱気がたまっている場合にビニールが溶けてしまう可能性があるので、やはり姿勢を低くした状態で逃げるということをしていただきたいなと思います。

今度は火災を防ぐためにということで、放火防止対策です。結局、施錠はちゃんとしてもらわないといけません。あと周りを明るくしてください。最近、センサーでつくライトとかもありますし、ああいったものも抑止につながります。もちろん家の周りに燃えやすいもの、例えば廃品回収の段ボールを前日から置いておくとかそういったことをされると、火をつけてやろうというのが出て来るかもしれません。ですから、それは気をつけてください。無人となるようなところ、例えば物置とかもそうですが、そういったところはできるだけ施錠してください。それが大事ですね。

また車にボディカバーをかけられている方もおられると思いますが、あれも通常の、防炎のものじゃなかったら、よく燃えます。1日に7件立て続けに放火されたことがあります。防炎ではない車のボディカバーにばっかりつけられました。車は何とかもっていますけれども、塗装がちょっと痛むような焼け方をしますね。火をつけたらビニールみたいなものですから、ビャーッと燃えてしまいます。だからボディカバーをされるんでしたら、やっぱり防炎のものにしてください。車の施錠もしっかりしてください。

先ほども言いましたように、ゴミとか段ボールは放置しないでください。燃やしてくださいというような捉え方をする方もおられますのでね。あと集積場も、燃やされないような環境づくりをしていただきたいと思います。

続いて、地域で消防訓練とかをしていただいて、皆さんの放火の意識を高めることで、やっぱり地域全体で放火されないような環境づくりというのができると思いますので、こういったこともお願いしたいと思います。

次は、タバコについてです。タバコは小さい火なので、安易にポンと捨ててしまうんですが、温度は700~800℃あります。大体、火災の炎と同じような感じです。だからそれを安易に捨ててしまって、枯れ草が燃えて、場合によっては建物に燃え移るということもあるので、寝タバコとかポイ捨ては絶対にしてもらっては困ります。火災につながります。

先程も言いましたように、天ぷら油は360~380℃で発火します。コンロに火を付けて、白い煙が上がってきて、だんだん煙が薄くなってきたら、ボンって火がつきます。15分ぐらいでその温度に達してしまいますので、絶対に離れるときは火を消してください。ちょっとだけだから、お客さんが来て、これぐらいなら大丈夫だろうと出ていって、長話になってしまって、後ろが火の海だったというのがありますので、必ず火は消してください。そして、使うときは必ずついといてください。

次はコンセントです。これはトラッキング現象と言うんですが、要はコンセントを長いこと差し込んでいるとホコリがたまってくるんですね。台所とかでしたら湿気がありますから、このホコリが湿気を含んで、だんだん蓄積してくると、バチバチ電気が通り出す。電気が通り出すとカーボン化、炭化するんです。炭化すると、バチンと火が出て、コンセントとかが樹脂性ですので、それが燃えてしまって、ここから燃え広がります。したがって、年に1回ぐらいはずっと挿しっぱなしのコンセントを一度外して、掃除して、もう1回挿し直してください。

収れん火災について説明します。ペットボトルに水を入れて、猫よけとかでよく置いてありますよね。それがレンズみたいになって、太陽光で焦点があって、それがたまたま可燃物に当たっていたら、それが燃えるんです。ですから窓際に金魚鉢やステンレス製のボウルを置いておくと思わぬ事故につながります。実際そういうことがありましたので、カーテンで遮光するとか、直接日光が当たらないようにしていただきたいと思います。

あと住宅用火災警報器になります。これは建物火災の死者があれだけ発生したということで、やっぱり逃げ遅れを防ぐために平成23年から全ての住宅に設置が義務付けられています。住宅用火災警報器は寝室に付けていただきます。寝室が2階でしたら、2階に至る階段の階段室にも付けていただく必要があります。

平成23年からは全ての住宅に設置が義務付けられています。天井取り付け型と壁掛け型というのがあります。万が一、まだ付けておられないという方がおられましたら、自分の身を守るもの、自分が火災で命を落とさないためのものですので、早急につけていただきたいと思います。

 

10年たつと電池がなくなってきます。試験ができますので、月に一度くらいは、試験ボタンを押すか、紐を引っ張って、問題ないかを確認してください。やはりせっかくつけてもらっても電池切れになったら意味がないんで、そこはしっかり点検していただきたいと思います。

住宅火災から命を守るポイントです。これも当たり前のことを書いています。寝タバコは絶対やめる。ストーブは燃えやすいものから離れた位置で使用する。乾きやすいからってストーブの周りで洗濯物を干すと思わぬ事故になります。ガスコンロを使っているときは絶対に離れない。離れるんだったら火を消してください。

4つの対策ですけれども、逃げ遅れを防ぐために住宅用火災警報器を設置してください。寝具や衣類からの火災を防ぐために防炎製品を使用する。よくお年寄りの方であるのが、コンロで調理をしていて、ちょっと奥のものを取ろうと思って、服に火がつくんですね。服で防炎製品というのはなかなか難しいんですけれども、寝具とかカーテンとかそういったものは使用していただいたらと思います。

 

火災を小さいうちに消すためにということで、住宅用の消火器で普通の殺虫剤のスプレーみたいな小さいものもありますので、そういったものを用意していただければ、いざというときにすぐ使えます。

 

お年寄りとか近所の方を守るために、隣近所の協力体制も大事です。あそこ、誰々さんのところにおばあちゃんがいるとか、そういうのを知っていることによって、何か起こったときに、皆さんで協力して避難、そういう支援をできますので、そういうところをやっていただきたいなと思います。

 

皆さんの少しでも役に立つことをお話しできればと思って、話をさせていただきました。これで私の講演を終わらせていただきます。今日は本当にありがとうございました。

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